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2019年02月06日

勧誘前に氏名等をしっかり告知しよう!(No.7)

新コンプライアンスシリーズ
わたしたちの法令順守宣言!

流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)

 消費者庁は2017年11月24日、健康飲料などを販売する大手ネットワークビジネス(NB)会社のF社に対して、特定商取引法(特商法)に基づき、6カ月間の業務停止命令を出しました。
ここで問われた違法行為を「他山の石」として、わたしたちも襟を正すべきでしょう。

 今回の処分で認定された違反行為は、[1]氏名等不明示、[2]不実告知――の2点でした。
特商法ではNBの勧誘をおこなう前に、「社名・氏名」「勧誘目的」「商品の種類」の3点を明示しなければならない旨を定めています。
ところが今回問題となった勧誘は、こんなふうにおこなわれたのです。

■「告知せず」は処分対象に

 会員であるA氏とB氏が、B氏の知り合いである消費者C氏宅を訪れ、NBの勧誘をおこなったさい、
「ちょっと上がってもいいですか」などと言ってC氏宅に上がる前に、社名、勧誘目的、商品の種類のいずれも告げていなかったというのです。
告知義務は必ず果たすようにしましょう。

 今回の処分でさらに問題視されたのが、商品の効能に関する不実告知です。
具体的には「これを飲んだら目が治ります」「脳幹出血も改善します」「鬱っぽい気持ちも治り、絶対元気になるから」などと告げていました。

■事実でも「治る」は厳禁!

「効く・治る」の表現は、薬機法(医療品医療機器等法=旧薬事法)だけでなく、特商法にも抵触します。
行政処分にとどまらず、勧誘者自身が刑事罰の対象になりますので、「効く・治る」を言うことは、刑務所の塀の上を歩くような行為だということをしっかり認識しておきましょう。

 今回の処分でもう一つ注目すべきは、「(夫に)ガブガブ飲ませたら、パーキンソン病が良くなって、デイサービスに行けるようになった」「うちの父は膀胱がんになったんだけど、これを飲んで治りました」といった体験談が、違反トークとして挙げられていることです。
「効く・治る」の体験談は、たとえ事実であっても、やはり法律違反と認定されるということを覚えておいてください。

 違反事例には「良い薬がありますよ」という表現もありました。
健康食品は薬ではありませんから、明らかなウソです。
「薬を飲むよりもこっちを飲んだ方がいいですよ」という表現も違反事例に挙げられています。
行政はこうした表現を、とくに問題視する傾向があります。

 レベラックシリーズのように、家庭用医療機器を販売する場合でも、認められた表現を越えた時点で、特商法・薬事法の違反を問われることになります。
十分に注意しましょう。

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