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2019年04月16日

特商法に新設された3つの禁止行為(No.9)

新コンプライアンスシリーズ
わたしたちの法令順守宣言!

流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)

 2017年12月1日に、連鎖販売取引(ネットワークビジネス)や訪問販売を規制する特定商取引法が改正施行されました。
これによって、業務停止命令の最長期間が1年から2年に延長され、違反時の罰金上限額に至っては300万円から一気に1億円に引き上げられました。

 このように厳罰化が進んだことは、以前、このコーナーでご紹介した通りです。
今回は改正特商法であまり注目されていないけれども大切なポイントに触れたいと思います。

 今回の改正では「金銭借入や預貯金の引き出し等に関する禁止行為」というものが新たに導入されました。

 具体的には次に挙げる三つのことが、特商法の禁止行為として明示されました。

■ATMなどへの連行

 改正特商法の施行規則では「契約の相手方の意に反して貸金業者の営業所、銀行の支店その他これらに類する場所(ATM等)に連行すること」が禁止行為に加わりました。

 このような規定ができたのは、「お金がない」と断っている消費者を、無理やり金融機関のATMなどに連れて行き、お金を下ろさせ契約を迫る、といった悪質な事例がみられたためです。

 そうした無理強いの勧誘は決しておこなわないよう気を付けてください。

■支払い能力を虚偽申告させる行為

 クレジットや借入などを申し込むときの書面では、年収や預貯金、借入状況などの「支払い能力に関する事項」の記載を求められることが少なくありません。
そうした事項について、勧誘している相手に、「虚偽の申告をさせる」行為が法律違反に当たるとされました。

 たとえば、「お金が足りない」と言っている消費者に、サラ金からお金を借りさせるため、「年収が少ないと審査が通らないから高めに書いておきな」などと勧める行為は、完全に違反ということになります。
これも絶対にしてはなりません。

■クレジット、借入、預貯金の引出しなどに関する迷惑勧誘

 販売対象者との「個別クレジット契約」や、「金銭の借入に関する契約」、さらに預貯金の引出しをさせるため、「迷惑を覚えさせるような仕方」で勧誘することも禁止されました。

 「迷惑を覚えさせる勧誘」とは、たとえば「長時間にわたり勧誘すること」や「執拗に何度も勧誘をすること」などです。
「銀行からお金を引き出してくればすぐ契約できるでしょ」などと言って何時間も消費者宅に居座るといった行為はこの違反に当たると考えられます。

 以上の3つの違反行為は、行政処分の対象になります。
「お金がない」と言っている人に対して契約を無理強いすることがないよう、十分に気を付けてビジネスに取り組んでください。

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