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2019年08月08日

特商法に新設の「業務禁止命令」を初めて発令!(No.12)

新コンプライアンスシリーズ
わたしたちの法令順守宣言!

流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)

 福岡県は2018年5月11日、エステサービスを展開するB社に対して、特定商取引法(特商法)に基づき3カ月間の業務停止命令を出しました。

この行政処分で注目すべき点は、福岡県が同時に、同社の代表取締役社長と相談役会長に対して、「業務禁止命令」を出したことにあります。

 これにより、同社の社長と会長は3カ月間、同業法人を立ち上げることができなくなりましたが、実は、この業務禁止命令は2017年12月施行の特定商取引法(特商法)改正で新たに盛り込まれた規定なのです。
B社はその最初の処分例となってしまったわけです。

事実上の「廃業宣告」?

 この規定では、業務停止命令を受けた事業者の役員や、それに類する影響力を持つスタッフなどが、業務禁止命令の対象となります。

そして、その命令を受けた人物は、同業法人を立ち上げたり、たとえ他社であっても、同業ならその役員になったりすることができなくなります。

 今回の処分によって、パンドラの箱が開けられた感があります。
今後、行政により、業務禁止命令が頻発される可能性があるからです。

 2017年12月施行の特商法改正で、業務停止命令の最長期間が、それまでの1年間から2年間にまで延長されたことも考え合わせると、これは深刻な問題です。
今後、業務停止期間の長期化が予想されるからです。

 仮に2年もの長期間にわたって業務停止が言い渡されれば、それだけで企業は重大なダメージを受けます。
さらに、役員らが同業法人を立ち上げることもできなくなるとしたら、もはやこの規定の発動は、行政当局による「廃業宣告」といっても過言ではないでしょう。

 ビジネスに携わる一人ひとりの軽はずみな行動が、歴史ある企業を廃業の危機にまで追い込む可能性すらあるのです。
そうなれば、皆さんがビジネスを継続していくことも、もちろんできなくなってしまいます。

行政は「相談内容」を重視!

 消費者庁や都道府県などの行政機関は、[1]相談件数の増減、[2]相談事項の悪質性――の2つを重視する傾向があります。

つまり相談件数自体は少なくても、若者や高齢者といった、「判断力」が十分でない可能性がある人を狙い撃ちにするようなビジネスの進め方は、行政から問題視される可能性があるのです。

 実際のところ、冒頭のB社についていうと、17年度以降に寄せられた相談件数はわずか21件でした。
さまざまなうそをつきながら、経済力も判断力も乏しい大学生に対して、高額なエステサービスのローン契約を迫るなどした悪質性が、重く見られたといえます。

 皆さんが精魂を傾けるビジネスが、よもや「廃業宣告」を受けたりしないよう、コンプライアンスの順守には引き続きしっかりと取り組んでいきましょう!

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