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2019年09月27日

特商法だけでなく景品表示法にも注意!(No.13)

新コンプライアンスシリーズ
わたしたちの法令順守宣言!

流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)

 エナジックビジネスを進めていく上で、注意すべき法律の中には、景品表示法(以下、景表法)もあります。
特定商取引法や薬事法と同様、大切な法律なのでしっかり学んでおきましょう。

 景表法は、「表示」に関する法律です。
パッケージや広告などの「表示」にウソや間違いがあったときには、景表法に基づき処分を受けることになります。

 印刷物だけでなく、たとえば、商品やサービスに関する口頭での説明も、「口頭表示」として規制対象になりますから、さらに注意が必要でしょう。

実際に、健康機器の体験販売をおこなっていた会社が、「口頭表示」を基に、景表法の処分を受けた実例もあります。

根拠のない表示は違反に

 以前は、景表法に違反しても、「もう二度と同じ違反表示をしない」「間違った表示があったことを周知する」などを内容とする"措置命令"を受けるだけでした。

しかし、2016年4月施行の法改正で、景表法の持つ意味合いは大きく変わりました。
違反して措置命令を受けた全企業に、原則として「課徴金」を課す制度が導入されたからです。

 課徴金の額は、表示に違反があった商品の過去3年間の全売上高の3%と定められています。たとえば年100億円の売り上げがある商品ならば、3億円の3年分で、課徴金は9億円という計算になります。

 ある日突然、こうした巨額の課徴金が課されれば、企業にとっては大きな痛手となりかねません。

 実際、2017年には、ほぼ全車種で燃費偽装をおこなっていた三菱自動車に対して、4億8,500万円の課徴金納付命令が出され、話題となりました。
その後も、中小企業を含む多数の企業に課徴金納付命令が出されています。

 三菱自動車の場合、巨額課徴金の打撃だけでなく、販売台数が偽装発覚前の半分に減ったそうです。
法律違反はいろいろなダメージをもたらすのです。

ホントのことを表示しよう!

 注意すべきなのは、この法律が、単に「ウソをついてはならない」ということを定めただけではないということです。

景表法は一歩進んで「本当だという証拠のあることしか表示してはならない」旨を定めています。

 「ウソではないか」と疑われる広告を行政が見つけたときには、事業者に対して根拠資料の提出を求めることができます。

15日以内に表示の正当な根拠資料を提出できなかった場合には、行政がその表示を自動的に「ウソとみなす」という恐ろしい法律なのです。

しかも、「正当な根拠資料」と行政に認めてもらうには、厳格な基準をクリアせねばならず、至難の業です。

 きちんとした裏付け資料も持たないのに、商品の説明資料を自作するような行為は、たいへん危険だということが分かっていただけるでしょう。

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