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2019年10月30日

消費者庁が「部長」に下した初の業務禁止命令とは?(No.14)

新コンプライアンスシリーズ
わたしたちの法令順守宣言!

流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)

 消費者庁は2018年7月27日、健康食品を販売する電話勧誘販売事業者Aに対して、特定商取引法に基づき、3カ月の業務停止命令を下すとともに、同社の従業員B個人に対して、同じ3カ月で初の業務禁止命令(以下、禁止命令)を出しました。

 この禁止命令は2017年12月の特商法改正のさい導入されたもので、受けると同業の立ち上げなどが個人単位で禁じられることになります。

これまでも地方自治体による禁止命令は数件出されていましたが、消費者庁として同命令を出すのは今回が初めてです。ついに、という感があります。

消費者庁命令の怖ろしさ

 この処分にはいくつかのポイントがあります。
まず一つは、やはり消費者庁が初めて出したという点でしょう。
都道府県がおこなう処分と、国がおこなう処分には、効力という意味で根本的な違いがあります。

たとえば東京都が出した処分ならば、効力は東京都内にしか及びませんが、国から処分を受けると、全国津々浦々どこにでも効力が及びます。
したがって、同業の立ち上げは「国中どこでも禁止」ということになります。

 また、消費者庁がついに伝家の宝刀を抜いたということは、都道府県も今後、より"気軽に"禁止命令を出しやすくなると考えられます。

 もう一つ注目すべきは、今回の禁止命令の対象者Bが「部長」だったという点です。
社長に対しては禁止命令を出していません。

 消費者庁はこの「部長」について「業務を統括する者であり、かつ、これらの業務の遂行に主導的な役割を果たしていた」と認定し、処分に踏み切りました。
「ごまかしたって、実質的な権限をBさんが握っているのは分かっているよ!」と言っているかのようです。

 特商法では、役員だけでなく「政令で定める使用人」にも禁止命令を出せると定めています。この条項にのっとってB部長は処分されたわけです。

「治療」も「予防」も即違反!

 ではこのA社はなぜ、処分を受けたのでしょう。
処分事例をみると従業員が消費者に「ガンにならないためにはこれを飲んでいたらいいです」「血管を太くし、強くします」「認知症にも効果があります」「認知症の予防になります」など、これでもかの違反トークのオンパレードです。
表現としては「真っ黒」といえるでしょう。

 薬機法・特商法とも、医薬品・医薬部外品・医療機器以外で「治療」「予防」をうたえば即違反になります。

たとえ医療機器であってもうたえる範囲を逸脱すれば、即アウトです。
こうしたことをちゃんと認識し、十分に気を付けてビジネスを行いましょう。

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