2019年06月27日
軽い気持ちのウソで逮捕の事例も!(No.11)
新コンプライアンスシリーズ
わたしたちの法令順守宣言!
流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)
「ウソはだめ!」ということは、皆さんも小さいころから、よく聞いてきたフレーズではないでしょうか。
特定商取引法(特商法)でも、「ウソ=不実告知」は固く禁じられています。
軽い気持ちでついたウソが、行政処分の原因になることもありますし、最悪の場合、警察に逮捕される可能性すらあります。
では、どんなウソをつくと罰せられてしまうのでしょうか。
特商法では、皆さんのビジネスについて、[1]商品の種類・性能、[2]特定負担(商品の代金や入会金など)、[3]契約解除(クーリング・オフや中途解約返品ルール)、[4]特定利益(報酬、ボーナスなど)、[5]その他相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なこと――
の5点について、ウソを言ってはダメと定めています。
虚偽理由で勧誘はアウト!
では、具体的にどのようなウソが違反と指摘されているのか、最近の訪販業の処分事例を見ていきましょう。
2018年3月に、6カ月間の業務停止命令を受けたリフォーム訪販会社の事例では、顧客を勧誘する際に「雨漏りしています。
ほっておくと大変なことになります」とウソを告げていました。
皆さんでいうと、水機器を販売する際に「この水を飲まないと病気になりますよ」などと告げることは、立派な法律違反ということになります。
同じく3月に6カ月間の業務停止命令を受けた消火器リース会社の事例では、「消火器会社○○の社名がこのほど変わって当社△△になりました」などと虚偽のことを告げ、従来から使っている製品のメーカー(◯◯社)とあたかも同一法人のように説明し、消火器の交換(実は新規購入)を促していたことが特商法違反に問われました。
皆さんの場合なら、販売相手が使っている他社の水機器について、「その会社は倒産しましたから、うちの機械に切り替えてください」などとウソを言えば、やはり明白な違法行為ということになります。
「価格でウソ」も重大な違反
2月に行政処分を受けたリフォーム訪販会社の営業員は、消費者に対し、通常提供している価格を上回る価格を「通常価格」と伝えることにより、それより安くして(本来の通常価格なのに)、さも「お買い得」のように装って勧誘していました。
30万円の水機器を販売するにあたって、「通常は50万円する器械が、今ならば30万円で買えるのよ」などと告げる行為は、やはり明白な違反行為ということになります。
他社の販売価格を偽って「ほかなら70万円はするこの商品が当社なら30万円で買える」などと告げるのも、いつ逮捕されてもおかしくない行為といえるでしょう。
小さいころに言われた「ウソはつくな」は、いまももちろん守るべき大切なフレーズなのです。
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