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2020年12月29日

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新コンプライアンスシリーズ
わたしたちの法令順守宣言!

流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)

 今回は「重要事実不告知」という、特定商取引法(特商法)上の違反行為について解説してみましょう。

特商法では、「契約するかどうかに関わるような大切なこと」について、「本当のことを言わない」行為を「重要事実不告知」として、重大な違反と定めています。

したがって違反者は重い罰則の対象となります。

 具体的にいうと、3年以下の懲役や最長2年の業務停止命令の対象になる可能性もあるのです。

重要事実不告知は重大違反

 どんな事実を告げないと違反になるのか、ここ1~2年の行政処分事例をみてみましょう。

 2019年3月に、結婚相手紹介サービスの訪問販売をおこなっていたV社が3カ月の業務停止命令を受けました。

このときは、既婚者や退会者であるにもかかわらず、それらの写真を差し出しながら「こういう人がおるで、息子さんにどうですか」などと告げていたことが、重要事実不告知に問われました。

 言われた人は、「こういう人と見合いができるのか」と勘違いしたことでしょう。
しかしながら、見合い相手について本当の情報を告げなかったことが違反に問われ、処分を受けたのです。

 エコロジーな給湯器として最近人気のエコキュートを販売する訪販事業者N社が、18年3月に6カ月の業務停止命令を受けました。
そのさいには、コストの試算方法が問題になりました。

 エコキュートの場合、約10年ごとに更新が必要で、そのさい結構な額の費用が必要になります。

それなのに、ガス給湯器からエコキュートへの切り替えのメリットの説明をするさい、更新費用を計上しない計算式で、両者のトータルコストの比較を示していたことが、重要事実の不告知に問われたのです。

消費者はきっと、「エコキュートの方がお得だ」と勘違いしたことでしょう。

「めっちゃいいよ」でも違反

 ビジネススクールの役務をネットワークビジネスで販売するI社が2018年2月に6カ月間の業務停止を命じられた案件では、消費者への勧誘のさいに、

「儲かっている。めっちゃいいよ」
「月々2万1,600円払っても黒字になる」

などというだけで、特定利益が得られる可能性の乏しさや困難さを告げていなかったことが、重要事実不告知だと認定されました。

消費者は、「自分も簡単に儲けられる」と勘違いしたことでしょう。

 上記事例に共通するのは、勧誘する側が、勧誘途中に、「あっ、この消費者、勘違いしているな」と気付いたであろうことです。

その勘違いを、「まっいいや、その方が買ってくれそうだし」と放置すると、重要事実不告知という重大な違反行為として処罰・処分を受けることになります。

 重要事実不告知の処分例は、他にもたくさんあります。

「あっ、勘違いしているな」と思ったら、その瞬間に、本当のことを話し、消費者の誤解を解くようにしましょう。

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