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2021年03月04日

「頑張れば儲かる」は"断定的判断"でNG!(No.30)

新コンプライアンスシリーズ
わたしたちの法令順守宣言!

流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)

 2019年の年の瀬に、また、ネットワークビジネス(NB)企業に対する行政処分がおこなわれました。

関東経済産業局は12月16日、全身美容機器や浴槽用水素水生成機器などを商材にNBをおこなっていたY社に対して、特定商取引法に基づき6カ月間の取引等停止命令を出したのです。

関連会社に対しても3カ月間の取引停止命令をおこないました。

「月60万円の収入」は違反

 認定した違反事実は、[1]氏名等の明示義務違反、[2]断定的判断の提供――
の2点だけと、シンプルです。

「氏名等の明示義務違反」については前回でも詳しく説明しましたので、今回は触れません。

ちょっと聞きなれないかもしれない「断定的判断の提供」という違反行為について詳しく紹介したいと思います。

 「断定的判断の提供」は法律上、「連鎖販売取引につき利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供して契約の締結について勧誘すること」と定義されています。

つまり、本来は儲かるか儲からないか、水ものであるはずなのに、「確実に儲かる」などと言って勧誘すると、この定義に違反することになるのです。

 では、今回の行政処分では、どのような発言が違反に当たると判断されたのでしょうか。

一つの事例では、会員が消費者に対して、「サロンの開業には250万円ほどがかかる」旨を伝えたところ「負担が難しい」と断られてしまいました。

 これに対して会員は「カードローンを使えば良い。やっていけば必ず成功して半年で返済できる」と勧誘し、消費者は仮契約しました。

しかしその後、「契約はできない」と伝えた消費者に、「一人誘ったら36万円、物販は代金の25%が貰えるから、すぐ返済できる」などとさらに説得しました。

この一連の説得が「断定的判断の提供」に当たると判断されたのです。

 もう一つの事例では「1カ月収入60万円」「そのほか、商品を売れば100万円以上も取れる」「200万円なんて1年で返せるよ。頑張れば半年だよ」などと伝えた行為が違反と認定されました。

当然の表現にも注意を!

 ややさかのぼりますが、2005年に出された行政処分では、「頑張れば儲かる」という表現が、「断定的判断の提供に当たる」とされたこともあります。

「頑張れば......」というのはある意味、当たり前の表現のような気もしますが、気をつけなければなりません。

 当時の報道によると、行政当局は「『頑張れば儲かる』が必ずしも違法というわけではなく、前後関係から『頑張ればほぼ必ず儲かる』というニュアンスが明らかだったため指摘した」と説明していたようです。

 「頑張れば」という条件を前に付けたとしても、やはり「確実に」と誤認させると、違反と判断されることになります。
十分に注意しましょう。

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