2021年04月27日
新型コロナウイルスへの便乗は要注意!(No.32)
新コンプライアンスシリーズ
わたしたちの法令順守宣言!
流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)
国民生活センター(以下国セン)は2020年2月28日付で、「新型コロナウイルスに便乗した悪質商法にご注意!(速報)」と題した、注意喚起の報道発表をおこないました。
こういった発表が出されたさいには、その後、見せしめ的な行政処分・逮捕がおこなわれるケースが多く、いっそう注意が必要です。
自社の商品にどんなに自信があったとしても、法律で認められた範囲を逸脱するようなトークは絶対にしないようにしましょう。
国民生活センターの警告
国センの注意喚起では「新型コロナウイルスの感染拡大に関連した相談が、全国の消費生活センター等に寄せられて」いると指摘。
代表的な事例として「マスクを無料送付するといったメッセージがスマートフォンに届いた」「新型コロナウイルス流行拡大の影響で金の相場が上がるとして、金を買う権利を申し込むように言われた」の二つが挙げられています。
国センとしては今回、ひとまず速報としてあくまで代表例を挙げただけでしょう。
つまり、各消費生活センター等の窓口には、新型コロナウイルス関連で、より多種多様な相談が寄せられていると考えられるのです。
その中には「『新型コロナウイルスには、この商品が有効』と言われて商品を購入してしまった」といった相談も含まれていることが、容易に想像されます。
最近の法改正の議論などをみるに、消費者庁は、消費者の弱みを見越しておこなう"つけこみ型勧誘"をたいへん問題視しています。
「新型コロナウイルスの感染・罹患からなんとか逃れたい」という、いま最もありがちな人の心理に付け込むような勧誘は、そのつけこみ型勧誘の典型例とみられても仕方ありません。
現時点で、なんらかの商品について「新型コロナウイルスに有効」という説明をおこなうことは、せっけんや消毒用アルコールなど一部の衛生品を除いて、ほとんどのケースがオーバートークになってしまうと考えられます。
なぜなら、新型コロナウイルスについて、まだ十分な医学的・科学的な分析結果がなく、したがって特定製品の有効性が立証されたわけでもないからです。
オーバートークは禁物 !
強酸性電解水に除菌効果があり、還元水の飲用が胃腸症状の改善に効果的である――
とまではいえると思いますが、そこを一歩踏み越えると、現時点では、オーバートークと判断されると考えた方がよいでしょう。
「新型コロナウイルスにも効くの?」と聞かれると、「はい、効きます!」と答えたくなる気持ちは分かります。
しかし、ここはぐっと我慢して「未知のウイルスなので、有効か無効かは現時点ではまだ分かりません」と正直に答えましょう。
それが、長い目で見て、相手からも社会からも、信頼を得る方法だと思います。
繰り返しますが我慢ですよ。我慢!
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